2022年9月17日(土):静岡大学大学会館ラウンジでSDGsシネマダイアローグ静岡サテライト(第4回)を行いました。

上映作品は『パレスチナのピアニスト』。紛争、人種、宗教、国境、そして新型コロナという壁に奔走されながらも、プロのピアニストをめざす青年ミシャを主人公とした音楽ドキュメンタリー。

(ノットワークラボからのコメント)
○パレスチナの教育の現状、そして日本
ミシャの父親は医師。グランドピアノがおかれた清潔で、文化的な香りのする自宅や家族。一方、父親が運転するBMWから見える荒廃した街並み。一般の人々の現状も垣間見ることができた。
紛争影響地域としてのパレスチナは、政治的特殊性、脆弱性を抱えているため、学校教育は複雑で困難な地域である。ユニセフ(『パレスチナ:非就学児における国別報告書』から)によると、義務教育年齢の15歳までに男子の25%が学校を中退するとのことである。その主な原因の一つに通学時に直面する特殊な問題があるという。通学時に多くの子どもたちは、検問所や道路が閉鎖された場所を通り、イスラエル人の入植地を迂回することを強いられている。特に10代の男の子は学校に向かう途中に止められ、尋問を受けることもある。
さらに、過密状態の教室の問題も指摘されていた。「ガザ地区の学校では、1つの教室に平均37人が学ぶ過密状態にある」と記されている。ふと、日本の幼児教育施設や放課後児童クラブを想起した。
○壁を越えるキーワードはアート〜作品の制作はイスラエル
「青年ミシャのピアニストになる夢は国境を越える」と作品の解説にあったが、音楽は、紛争、人種、宗教、国境を越えられるとあらためて感じた。イスラエルで制作された作品であることも注目すべき点だ。アートには、人をつなげる力があると実感した。
ダイアローグの共有の時間、北九州ホスト会場の恐竜のシルエットが気になっていた。先月とは趣が違うからだ。うかがうと、46億年の生命の歴史をテーマに切り絵アーチストの作品をドームシアターの壁面一周に展示したとのこと。ワークショップで、虫の切り絵に挑戦した子どもたちの作品も展示している。まさにアートで人と人をつなぎ、人と自然、社会を考えるきっかけを創出しているのだと感じた。今年度、環境ミュージアムは20周年を迎えた。「E+ 考えるミュージアム」としての質の高いイベントを企画されている。10月は絵本をテーマとしたラインナップ。