2023年9月19日(月):公害資料館ネットワーク事務局のみずしま資料交流館「あさがおギャラリー」(倉敷市)を訪問いたしました。

公益財団法人水島地域環境再生財団の研究員で事務局長もある 藤原園子さまにお話をうかがいました。以下に所感を交え、報告いたします。

2022年10月にオープンしたあさがおギャラリーは、倉敷市水島東栄町の商店街に位置し、倉敷市公害をめぐる当時の様子を伝える写真、住民運動や裁判記録などが所狭しと展示されている。
倉敷市公害は、四半世紀以上前に患者と企業の間で和解が成立したとのことだが、今でも823名の認定患者が存在しており、終わっていない。
事前に紹介していただいた「水島こども食堂ミソラ♪」までの道途の幅は広く、かつての栄華を思わせる立派な公園が何ヶ所もあった。この街には、時間の流れを感じさせるものが随所にある。

資料交流館という名前の通り、あさがおギャラリーには人が集う雰囲気がある。藤原さまのあたたかなお人柄、商店街の一角という立地・・・。この日も写真家の高田昭雄さまと関係者の方々、「倉敷市環境学習センター」の安延一二三所長、岡本昭一主幹がギャラリーを訪問、イベントのお話などをされていた。「水島地域の環境再生・まちづくりの拠点」として設立されたというみずしま財団を肌で感じることができた。

安延所長より、水島臨海鉄道で2駅の場所にある倉敷市環境学習センターへの訪問を誘われた。再び、水島臨海鉄道に乗車し、水島駅で降りる。

倉敷市環境学習センターは、この立派な建物の一角にある。当センターは、スタイリッシュな外観とは少し違った印象だった。エコギャラリーとエコライブラリーは岡山県産の木をふんだんに使った温かみのある空間を創出され、ライブラリーには、子どもから大人まで手にとってみたくなる環境に関する図書(生き物や科学、恐竜、エコなど)が美しく配架されていた。また、自由にレイアウトを変えられる琉球畳のエリアは、来館する人の場であるとともに遊び心がある。
安延さま、岡本さまからは、当センターのコンセプトとともに、イベントのお話などもうかがうことができた。

当センターのご厚意で、岡本さまに水島コンビナートを案内していただいた。水素カーの車中では、水島臨海鉄道の話、名古屋と同じ地名が多い理由など、当地の背景も学ぶことができた。

関係者のみなさまにあらためて感謝申し上げます。

最後に、2番目の写真の「水島こども食堂ミソラ♪」について、ご紹介させていただきます。
今回の視察の窓口になってくださった公益財団法人水島地域環境再生財団 研究員の林美帆さまからの「水島の公害教育といえば、あおぞら学園というぜん息児へのケアを医療機関が独自に行った取り組みなどが特徴的なものになっております。」という情報とともに、『水島メモリーズ 水島こども食堂ミソラ♪編』のURLをご紹介いただきました。多くのみなさまにお読みいただきたいと思います。
https://mizushima-f.or.jp/publishing/3221/

また、水島の歴史(戦争、地域開発と公害など)を掘り起こし、地域の新しい魅力を発信するための『水島メモリーズ』をあさがおギャラリーでいただきました。水島の歴史と文化が詰まっています。
林さま、ありがとうございました。