2025年6月3日(火):富士市立田子浦幼稚園を訪問しました。
あいにくの雨天ではありましたが、先生方が柔軟に内容を検討し、子どもたちにとっては満足感、充実感あふれる一日だったと思います。【5歳児の雨の園庭での散歩】を紹介します。
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戸外に出た子どもたちは、園舎前の野菜畑を自発的に見に行った。おそらく、晴天時も野菜の生長を楽しみに園庭に出ているのだろう。雨の日の土の匂いを感じる子、水たまりの深さを比べる子、園庭に長靴で水路を作る子・・・感動を他児と共有しながら、園庭を歩いていた。「雨で、たくさん落ちている」と雨に打たれ大量に落ちたザクロの実に子どもが気づくと、「明日、トイで流してみよう」というような言葉を保育者が発する。すると、昨日までにつくった砂場の様子が気になり出したのか、多くの子どもが砂場へ。このように子どもと保育者が響き合いながら散歩が続く。子ども自身が関連性を持たせながら、気づきを広げたり、深めたりする姿が見られた。
園舎に入る前、水道付近のきれいな水で長靴の泥を軽く落とす。傘を閉じまとめる。スムーズにできない子には先生が丁寧に援助する。「めんどう!」などと言う子は一人もいない。玄関マットで10回足踏み。泥と水を落として、子どもたちは昇降口へ向かった。
自由でゆったりとした雰囲気のもと、発見、楽しさ、期待などさまざまな心情を子どもたちは持ち、遊びと生活が展開されていた。その後、各クラスでの遊戯室とオープンスペースでの巧技台を使ったアスレチックづくり、午後はライブショーと子どもの思いやペースに沿った時間が流れていった。
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子どもの必要感に基づいた遊びと生活が展開されていました。環境構成と教師の援助が一体となり、協同性を育む状況がつくり出されていたように思います。他の学年も一人一人の発達に即した保育が展開されていました。
先生方の柔軟に対応する力、子どもへの思いにあらためて感動するとともに、教師エージェンシーが発揮されていた実践だったと思います。ありがとうございました。